世々にわたる神の計画

第 15 章

 エホバの日 

 

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エホバの日

――エホバの日報復の日怒りの日

――大いなる悩みの時

――その原因

――この日に関する聖書の証言

――象徴として示される火と嵐、振動と溶解

――ダビデの証言

――黙示者の証言

――相反する資本家と賃金労働者から見た現
            在の状態と未来の展望

――成功しない救済法

――定められた時には幕は取り除かれ光がさし込む

――その証拠

――悩みの時における聖徒の状態とそれに対す
           る正しい態度

 

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"And except
those days should
be shortened,
there should
no flesh be saved;
but for the elect’s sake those days shall be shortened."
Matthew 24:22

 

 

Christ will be
the General
of Jehovah.

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     エホバの日とは、一方において、キリストの下に神の国がこの地上に次第に建設され、他方においてこの世の国々が次第に消滅し、人間を支配するサタンの権力と勢力が制限される時期の名称である。これは、人類の上に及ぶ激しい困難と苦悩と当惑の暗い日として、聖書のいたる所に説明されている。

   そのような広範囲の、そのような偉大な変化を要するような革命が起ったとしてもなんの不思議があろう。小さな革命は、いつの時代にも悩みの原因となっているが、過去のいかなる革命より規模の大きなこれは、国が始まって以来かつてなく、今後も決してないような、悩みの時である。(ダニエル121、マタイ242122

それはエホバの日と呼ばれる。なぜなら、王としての称号と権力を持つキリストがエホバの代理として存在し、この悩みの日の間に起こる事柄を監督するけれども、それは平和の君としてすべての人を祝福するというより、むしろ、エホバの将軍としてすべての物を征服するためである。偽りの不完全な見解や組織が崩壊する前に、新しい王の旗が掲げられ、最後にはキリストがすべての人々から王の王として認められるであろう。

  このように、これはキリストの支配を確立するエホバの仕事として預言者達によって示されている。私は、もろもろの国を嗣業としておまえに与え、地のはてまでもおまえの所有として与える。(詩篇28

それらの王たちの世に、天の神は一つの国を立てられます。(ダニエル244日の老いたる者が座しておられた人の子のような者が、その前に導かれた。そして彼に国を賜い、諸国の者はみな彼に仕え、かつ従う。(ダニエル7913142227

  これに加えてパウロも次のように言う。キリストがその支配の目的を達成する時、御子自身もまた、万物を従わせたそのかた父に従うであろう。コリント1528

 

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God has
established
certain laws
in harmony
with which
He operates.

     この時期は、われらの神の報復の日及び怒りの日と呼ばれる。(イザヤ6126314、詩篇1105しかし、この言葉から怒りの概念のみを把握し、又は神の敵意のみを考えるならば、大きな誤りである。神は、神の働きと調和する一定の法則を確立し、そしてその法則と相反する者は、その原因が何であるかにかかわらず、彼らの行動に関して罰、又は怒りを招くのである。

   人間に対する神の忠告は、ごく小数を除くすべての人から絶えず拒否され続けてきた。そしてすでに示したように、神は彼ら自身の道を行き、彼らの心から、神と神の忠告を捨てることを許されたのである。(ロ128

   それから神は、その特別な愛顧を、神に奉仕したいという願いを名言したアブラハムとその子孫に限られたのである。国民としての彼らの心のかたくなさと、神への心の不誠実は、彼らがメシヤを受け入れることを妨げたのみならず、彼らの民族としての存在を失わせる混乱へと導く結果になった。

 

 

 

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The "time of trouble" will be
the natural consequence of unrighteousness.

     福音時代の間にこの世の中で、キリストの真の教会(その名を天に書かれている人々から成るクラス)が伝える光は、正誤、善悪の相違や、ある人は報酬を受け、ある人は罰を受ける審判の時のことについて、証言を与えてきたのである。(ヨハネ16811、使徒行伝2425

   もし、人類が主の教えに注目していたならば、これは大きな感化を及ぼしていたであろう。しかし、かつてと同様、彼らは頑固に聖書の忠告から多くを学ばなかったので、その怠慢の結果として、主の日の苦難が彼らにのぞむであろう。それは、神の忠告の無視を通して、不義の報酬として来るのであって、神の怒りとも言うことが出来るのである。

   しかし、見方を変えれば、世界に及ぶその苦難は、神が予見した当然の又は不当な結果であって、もし彼らが神の忠告に従えば、彼らをその苦難から保護したであろう。

The world
has disregarded God’s counsel.

 

The "voice of avarice"
--Get all you can...

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   教会に対する神のメッセージはあなたがたの体を生きた供え物としてささげなさい。(ロマ121)であったのに対して、世界に対する神のメッセージはあなたの舌をおさえて悪を言わせず、あなたのくちびるをおさえて偽りを言わすな。

   悪を離れて善をおこない、和らぎを求めてこれをつとめよ(詩篇341314)であった。どちらの場合にもごく小数のみが、神のメッセージに注目しただけである。小さき群のみが供え物をささげた。世界の人々は、正直は最良の策をモットーとして掲げていても、一般にはそれを実行することを無視し、むしろ貪欲の声――その手段にかかわらず、だれがそのために損をするかにかかわらず、この世の中で出来る限りの富と名誉と権力とを得よ――に耳を傾けるのである。

   ひとことで言えば、もし人類が神の律法の原則をある程度守ったならば、主の日の苦難は来ないし、又、来るはずがないのである。その律法を簡潔に要約すれば――心をつくし、精神をつくし、思いをつくして主なるあなたの神を愛せよ――である。(マタイ223739)腐敗したこの世的な心は、神のこの律法に逆い、それに服従せず、ちょうど種蒔きの後に刈り入れが来るように、その当然の結果として苦難が来るであろう。

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The selfish, stony heart of man
will become
a heart of flesh.

     この世的な腐敗した精神は、しばしば他人に属する物を奪うために暴力や殺人を行うほどに利己的で欲が深く、自分と同じように隣人を愛することからほど遠い。生まれた環境、教育、社会状況によって左右されることを除けば、利己心の本質は、それがいかに実行されようとも常に同じである。

   それは、いつの時代にも同じであったし、今後も同じであろう、おそらく、メシヤの鉄則の威力の下に、武力によらず、貪欲によらず、ただ愛のみが正義のいかなるものかを判断し、それを実行する時の至るまで、すべての人が、利己心や武力の鉄則と比較して、義と愛の鉄則の優れた点を学ぶ時まで、真理と義の陽光の感化の下に、利己的な石のような人間の心が肉の中心となり、再び神がはなはだ良いと語った時の状態を回復する時までは変わることがないであろう。(エゼキエル3626

 

 

How did the
change from Godlike love
to selfishness
come about?

 

 

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Sustenance became the principal aim
and interest of life.

     ふりかえって見ることにより、神のような愛と思いやりが頑固な利己心へと、どのように変化したかが、私達には苦もなく理解できる。人間は、不従順によって神の愛顧を失い、すべての必要が豊かに満たされていたエデンの家から追放されるや否や、利己心を助長する環境と直面せねばならなかった。有罪の宣告を受けた私達の両親が、出来る限り命を長らえようと生活の戦いを始めた時、彼らは主が言われたように、額に汗して苦しんで、いばらやあざみみや不毛の地と直面しなければならなかった。

   人間の低下した質は、絶えず働かせることによって十分に発達したが、精神的、道徳的質は活用の不足のために次第に萎縮していった。生命の維持と生活の利益が第一の目的となり、労働の代価がそれ以外のすべての利益を計る規準となり、物欲の神が人間の主人となった。

   そのような状況の下で、人間は第一に必要のため、第二に物欲の神が与える名誉とぜいたくのために常に努力し、利己的、貪欲となったとしても何の不思議があろうか?それこそ、サタンが大いにつけこんだ人間の生まれながらの傾向に外ならない。

The veil
of ignorance
and superstition
is now
being lifted.

 

Wealth brings
many evils
and some
blessings.

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     過去の時代には、様々な影響力(無知、人種的偏見、国民的プライドなど)の下に、世界の偉大な富は、一般にごく小数の者――支配者――の手に握られていた。大多数は、国家の代表者に対するように、彼ら少数者に隷属的に従い、その富をあたかも彼ら自身を代表する富であるかのようにプライドを感じていた。

   しかし、エホバがメシヤの手による回復を通して世界を祝福する計画の時が近づくにつれ、神は近代的設備や発明を通して、無知と迷信の幕を取り去り、それと共に人々の一般的地位が向上し、地上の支配者の権力が減少していった。もはや世界の富は少数者の手に握られず、主として庶民の手に渡されつつある。

富は多くの悪をもたらすが、祝福をももたらす。富者は、より高度な教育を達成することによって、知的に貧しい人々の上に立ち、多かれ少なかれ王族とかかわりを持つ。だから、お金と教育と両方を持つ貴族階級が存在し、益々貪欲を欲しいままにし、いかなる代価を払っても高い身分を獲得し、それを維持しようとした。

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As people
take advantage
of educational facilities, they
begin to think
for themselves.

     しかし、教育が普及し、人々が現在豊富にある教育的施設を利用するようになると、自分自身について考え始める。そして、わずかな教育による自負心と利己心は、彼らをしばしば危険な方向へ導く。すなわち、彼らは、すべての人の利益と環境、特に彼ら自身の利益と環境は、現在富者を持つ少数者の犠牲によって得られると思い込むのである。

   彼らの多くは疑いなく、物欲崇拝者(彼ら自身もその一部であり、富者もその一部であるが)の経済的な衝突は、容易に、公平に解決することが可能であるとまじめに信じている。そして、もし彼らが豊かになれば、彼らは非常に慈悲深くなり、喜んで自分を愛するように、隣人を愛するようになると感じているのである。

   しかし、彼らは明らかに彼ら自身を欺いている。なぜなら、彼らの現在の状態において、ごく少数の者しか、そのような精神を示していないし、この世のわずかな物を使うことに忠実でない者は、たとえ偉大な富を得たとしても、それを忠実に使うことは出来ないからである。事実がそれを証明している。というのは、富める者のうち、もっとも心のかたくなな、もっとも利己的な者は、往々にして卑賎の身から一躍富者になった者だからである。

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Hospitals

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Libraries

     むしろ反対に、すべての階級に属する貪欲と利己心を非難すると同時に、保護施設、病院、救貧院、公立図書館、学校、その他の様々な事業における病める者、無力な者、貧しい者の利益と慰安のために設けられた制度が主として富豪よりも、むしろ税金や中流資産家の寄付によって維持されていることに注目すべきである。

   これらの施設の存在は、ほとんどの場合、思いやりのある慈悲深い資産家の恩恵を受けている。貧しい階級は、これらの施設を成功させるための時間も、必要な教育も、興味も持たないからである。

There has been
a growing
opposition between
the wealthy
and labor.

 

Capital vs. Labor

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The increase of
knowledge and
liberty brings
discontent.

 

     しかしながら、今日、富める者と労働階級の間には、対立が深まりつつある。――労働者の側には、悪感情が深まり、富める者の間では、法律の武力だけが自分たちの権利を守ってくれるという感を抱きつつある。だから、富める者は政府に近づき、多数の賃金労働者は、法律と政府は富める者の味方であって、貧しい者を虐待すると考え始め、共産主義や無政府主義に傾く。

   彼らはそれによってのみ、彼らの利益は守られると考えるが、もっとも浪費の多い最悪の政府でも、無政府状態よりはるかに優れていることを彼らは知らないからである。

このような状態こそ現在の市民的、社会的、宗教的制度が滅びゆく悩みの特徴であることを、又、知識が向上し自由がもたらされても、人間の精神的、道徳的、物理的不完全のゆえに、このような状態こそ禍のもとになることを、多くの聖句ははっきりと示している。これらの聖句は、後に引用するが、ここでは読者に次のことを知らせ、ごくわずかの聖句に注目することにとどめる。

   すなわち、旧約聖書の多くの預言の中で、エジプト、バビロン、イスラエルは非常に豊かな象徴であって、文字通りの成就が意図されているのみならず、主として更に大きなものの成就が意図されているのである。例えば、バビロンの衰退などに関する預言は、もし、文字通りのバビロンに関すると共に、その象徴と原型に関するものであることを知らなければ、非常に途方もないことだと考えるにちがいない。

   黙示録は、バビロンが廃墟となったずっと後に預言された記録を含んでいる。従って、明らかに象徴的バビロンのみに適応されるのである。旧約の預言者の言葉の酷似は、実際のバビロンに対して直接的に語られているように見えるけれども、特別な意味においては象徴的バビロンに属すべきである。

   より偉大なる成就としてエジプトは世界を象徴し、バビロンはキリスト教国と呼ばれる名目上の教会を象徴している。すでに示したように、イスラエルは、しばしば義と認められた状態の全世界、すなわち栄光に輝く忠実なる祭司と聖なるレビ人と、あがないの犠牲によって義とされ、神との和解の状態に入ると信じ、従う人々を象徴する。イスラエルに対しては、祝福が約束され、エジプトに対しては災いが約束され、強いバビロンに対しては、海に投げこまれた大きなひきうすのように(黙示録1821)再び回復することのない永遠の憎悪として、完全な永遠の転覆が約束されている。


 

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Egypt = World
To receive plagues


 

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Babylon = Nominal Church
To be overthrown and destroyed


 

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Israel = Justified World
To receive blessings of reconciliation with God

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"Behold, the hire
of the laborers
who have reaped down your fields,
which is of you
kept back
by fraud,
crieth;

"And
the cries
of them
which
have reaped
are entered
unto the ears
of the Lord
of Sabaoth."
James 5:4

 

     使徒ヤコブは、この悩みの日を指摘して、資本と労働の間に起る衝突の結果であると語る。富んでいる人たちよ、よく聞きなさい。あなたがたは、自分の身に降りかかろうとしているわざわいを思って、泣き叫ぶがよい。あなたがたの富は朽ち果て(その代価を失い)、着物はむしばまれ、金銀はさびている。

   そして、そのさびの毒は、あなたがたの罪を責め、あなたがたの肉を火のように食いつくすであろう。あなたがたは、終りの時にいるのに、なお宝をたくわえている。見よ、あなたがたが労働者たちに畑の刈り入れをさせながら、支払わずにいる賃金が叫んでいる。そして、刈り入れをした人たちの叫び声が、すでに万軍の主の耳に達している。(ヤコブ514

   彼はつけ加えて言う、悩みに会う階級は、他人の犠牲の上に立って、ぜいたくをし、正しい者、逆らわない者の生活を分砕した。ヤコブは兄弟に、彼らの役割が何であれ、主によって来る救いを待ち望んで耐え忍ぶように促している。このような物事の状態は、現在、私達に近づきつつある。世界で目覚めている人々の間では、人の心は地上に起ろうとすることを思い気絶する。


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1930 Bread Line NYC


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1931 4 Million Jobless


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1933 Soup Line

 

 

"They
shall cast
their silver
in the streets,
and their gold
shall be
removed;

"Their silver
and their gold
shall not be able
to deliver them
in the day
of the wrath
of the LORD..."
Ezekiel 7:19

   現在の傾向は、価格が人為的に維持されるか、進んだ労働組合かストライキなどがない限り、労働に対する賃金は低下しつつあることは、すべての人が知っている。忍耐が頂点に達するのは、時間の問題であること、そして暴動がその結果起こるであろうことは明らかである。これは資本家を不安にし、商業や工業の手段から資本が引き上げられ、金庫に納められる。

   その無益な保護のために、それが使い果たされるであろう。これは必ず倒産、恐慌、市場の虚脱状態を生じる。なぜなら、すべての商業の規模は、今日、信用の上に立っているからである。これらすべての当然の結果は、日常の糧を賃金に頼っている多くの労働者を投げ出し、世界を失業者で満たし、どんな法律も、これをどうすることもできなくなるであろう。そしてその時、預言者によって説明されているようになるであろう。(エゼキエ71019

   その時、買う者は喜ばず、売る者は悲しまない。悩みがすべての群衆の上に臨み、財産の安全はないからである。その時、すべての手は弱くなり、無力となり、悩みを取り除くことはできなくなる。彼らは銀をちまたに捨て、金はあくたのようになる。銀も金も、主の怒りの日には、彼らを救うことは出来ない。

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Destruction of
Jerusalem - 70 A.D.
A picture of trouble
upon Christendom

     国としてイスラエルが存在した最後の40年間は、イスラエルの国民にとって、悩みの日、すなわち報復の日であり、それはイスラエルの国の完全な破壊で終りを告げたが、しかし、その怒りの日は、名目上のキリスト教国に及ぼされるもっと偉大な、もっと広範囲にわたる悩みの影、又は模型であるにすぎないということを忘れてはならない。

   それはちょうど、愛顧を受けた時期のイスラエルの過去の歴史が、福音時代の模型であったように、未来に確実に示されるであろう。だから、これらの主の日に関する預言は、その完全な成就という点から見れば、全人類が含まれていることが明らかであるにもかかわらず、なぜイスラエルとエルサレムに対して直接に語らねばならなかったのかが分かるであろう。

The trouble involves
all classes.

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March 1917
Czar Nicholas II of Russia abdicates

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November 1917
Bolshevik
Revolution

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November 10, 1989
Berlin Wall,
symbol of Communist
oppression,
comes down

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December 25, 1989
Communist Dictator Nicolae Ceausescu executed

すべての階級が罰せられる

   もう一つの預言者の証言を例にとってもよう。(ゼパニヤ1791418主はすでに犠牲を備え、その招いた者を聖別されたからである。(黙示録1917と比較せよ)

   主の犠牲をささげる日に、私はつかさたちと王の子たち、およびすべての異邦の衣服を着る者を罰する。その日に私はまた、すべての敷居をとび越え、暴虐と欺きとを自分の主君の家に満たす者を罰する。

   (これは、この悩みの時には、富と権力が破壊されるのみならず、現在の組織を打ちこわすためにしばらくの間、神の道具として使われる人々もまた、同じ不正と不義のために罰せられることを示している。というのは、来たるべき悩みはすべての階級に及び、すべての群衆の上に苦悩をもたらすからである。)

主の大いなる日は近い。近づいて、すみやかに来る。主の日の声は耳にいたい。そこに、勇士もいたく叫ぶ。その日は怒りの日、悩みと苦しみの日。荒れ、また滅びる日。暗く薄暗い日。(現在の苦悩を共に不確実と不吉な前兆)雲(悩み)と黒雲の日。

   ラッパ(この悩みの日の間、吹き続けられる象徴的第7のラッパ――この主の日の出来事に関係があるので、神のラッパとも呼ばれる)と、ときの声の日、堅固な町と高いやぐらを攻める日である。(堅固な侵しがたい政府への喧燥と争いの通告)私は人々になやみを下して、盲人のように歩かせる。(いかに進むべきがを知らない不安定な群衆)彼らが主に対して罪を犯したからである。彼らの血はちりのように流され、彼らの肉は糞土のように捨てられる。

   彼らの銀も金も、主の怒りの日には彼らを救うことができない。(以前には、富によって安楽やすべてのぜいたくを得ることが出来たが)全地は主のねたみの火にのまれる。主は地に住む人々(富める者)をたちまち滅ぼし尽くされる。

   この破壊は、富める者が富める者でなくなるという意味で、多くの富める者を滅ぼす。しかし、それがすべての階級の多くの者を失うことになるのも疑いないのであろう。

     私達は、様々な見地から、その日の悩みを詳細にわたって調べることをしないが、上の預言者によって提示された全地は神のねたみの火にのまれるという思想を簡単に見てみよう。この預言者は、同じ火のことを再び語って言う。(ゼパニヤ389

 

"For then will I turn to the people
a pure language,
that they may
all call upon the name of the LORD,
to serve him with one consent."
Zephaniah 3:9


Bible10HandsA.jpg (2600 bytes)


The fire
of God’s zeal
is symbolic,
not a literal fire.

主は言われる。それゆえあなたがたは、私が立って証言する日を待て。私の決意は諸国民をよせ集め、もろもろの国を集めて、わが憤り、わが激しい怒りをことごとくその(国々の)上に注ぐことであって、(現在の政府に反対する共通の目的のために、諸国民が集まりつつあるが、その結果、相互の安全のために国々は一致団結し、その結果として悩みは、すべての国々の上に注がれ、すべてが破壊されるであろう)全地は、ねたむ私の怒りの火に焼き滅ぼされるからである。その時、(国々の破壊の後、現在の社会組織が悩みの火によって滅ぼされた後)私はもろもろの民に清きくちびる(人間の伝統によって汚染されていない、清き言葉を与ええ、すべて彼らに主の名を呼ばせ、心を一つにして主に仕えさせる。

この神のねたみの火というのは、悩みの激烈さと、全地を包む破壊の威力を表わす象徴である。それは、ある人々が考えるように、文字通りの火ではないということは、その後に人々が残り祝福されるという事実から明らかである。その時、残る人々が聖徒ではないということも、聖徒は*すでに主に仕えているのだから、彼らを主に仕えさせるという事実から明らかである。
 

 

 

 

 

Other symbols
in Scripture.

*火を文字通りのものと考え、地球は文字通り溶けてしまうと考える人々の議論の枝葉として述べるが、これらの人々は、ここで述べられている人々は、地球が溶け冷えた後に、この地上に戻り、家を建て、そこに住み、ぶどう畑を作り、その実を食べて自分たちの手の業を長く楽しむ聖徒であると主張する。

彼らの説に従えば、現在の数年は、それを受け継ぐための訓練期間であり、準備期間であると考える。そして地球が冷えるのに何千年もの間、待たねばならないという空中的経験によって、それは完全に失われてしまうだろうという事を忘れている。

これは重要な誤りであり、主や使徒や預言者のたとえや型や象徴を文字通りに解釈することから生じる結果である。この同じ誤りに従えば、火と共にこれらすべては象徴であることを知らずに、彼らはこの火の後には、山もなく海もなくなるであろうと主張するのである。

Mtn6.jpg (3151 bytes)
Mountains = Kingdoms

     聖書全体を通して、が象徴的に使われる時には社会を示し、山は国を、天は霊的支配力、海は落ち着きのない不穏な満足することのない大多数のこの世の人々を各々示している。火は焼かれるべきもの――毒麦、くず、地(社会組織)の破壊を示す。硫黄が火に加わると、破壊の激烈さを示す。というのは、硫黄の煙ほど、すべての生物にとって致命的なものはないからである。

Sky1.jpg (15638 bytes)

Heavens =
Spiritual Powers

EarthGrn1.jpg (8339 bytes)

Earth = Society

Sea2.jpg (6073 bytes)

Seas = Restless
Masses of People

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Fire = Destruction

Brimstone = Deadly Destruction

 

Peter’s
symbolic
prophecy

 

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     このことを念頭に置いて、怒りの日に関するペテロの象徴的な預言を読むと、上の預言者の証言と完全に一致することが分る。ペテロは言う、その時世界は、水でおおわれて滅んでしまった。(文字通り地と天が、その時なくなってしまったわけではなく、洪水以前に存在していた時代、又は物事の制度が滅んだ)しかし、今の(現在の時代の)天と地は、同じ御言(神権)によって保存され、火で焼かれる時まで保たれているのである。

   水が文字通り水であったという事実が、ある人々に、火も文字通りの火であるにちがいないと信じこませるのだが、決してそうではない。神の神殿は、かつては文字通り石で造られていた。

   しかし、真の神殿である教会は、霊の建物、すなわち聖なる宮であって、地上の物質で作られるのではないという事実が、それによって無効になる訳ではない。ノアの箱舟も、文字通りであったが、それはキリストと、社会を再び満たして建て直すキリストの力を象徴している。

"World That Was" =
Social Order
before the Flood

Temple of God
=
True Church

Noah's Ark
=
Christ

Present Heavens
and Earth
=
Present Ecclesiastical and Social Order


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wpe762.jpg (3598 bytes)


Noah2A.jpg (3653 bytes)

 


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The symbolic
heavens
and earth
will pass away
in the great trouble.

"Nevertheless
we,
according
to his promise, look for
new heavens
and
a new earth, wherein
dwelleth
righteousness."
II Peter 3:13

Earth1.jpg (8558 bytes)
"...the earth
abideth
for ever."
Ecclesiastes 1:4

Peter.jpg (15486 bytes)
Apostle Peter

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Apostle John

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Apostle Paul

 

The Prophet Malachi’s symbols

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主の日は、盗人が夜来るように(気づかれずに)襲って来る。その日には、天(サタンがその頭である、現在の空中における権力)は、大音響をたてて消え去り、天体は焼けくずれ、地(社会組織)とその上に造り出されたもの(プライド、階級、貴族制度)も、みな焼きつくされるであろう。天は燃えくずれ、天体は焼けうせてしまう。しかし、私達は、神の約束に従って、義の住む新しい天(新しい霊的権力――キリストの国)と新しい地(新しい土台――武力や圧迫ではなく、愛と義の上に建てられる地上の社会)とを待ち望んでいる。ペテロ3671013

    使徒のうち何人かは、預言者でもあったことを思い出す特に、ペテロ、ヨハネ、パウロがそうである。そして彼らは使徒として、教会の利益のため、預言者達の言葉を解説する神の代弁者であったと同時に、来たるべき事柄を預言する預言者として神から使われたのである。

   それらの預言が成就されるべき時が来ると、神は、信仰の家族のために、時に応じた食物として与えるために、適当な僕、又は解説者を起用するのである。(この事実に関するマタ242546主の言葉を見よ)預言者としての使徒達は、当時はまだ定められた時ではなかったので、十分に理解することが出来なかったことを書くように動かされた。

   それは、ちょうど旧約聖書の預言者たちペテロ11213)と全く同じように、彼らの言葉は、彼らがその言葉を使っている時に、自らの言葉の意味の深さを知らずに、しかもそう書くように特に導かれ、指導されたのである。こうして誰が神の伝達の代弁者又は手段として使われようとも、教会は常に神ご自身によって導かれ、食物を与えられていたのである。この認識は、神の代弁者として使われた人々の不完全さにもかかわらず、神の言葉への大きな確信と信頼へと導くはずである。

    預言者マラキは(41)この同じ象徴の下に主の日のことを語っている。彼は言う。炉のように燃える日が来る。その時、すべて高ぶる者と、悪を行う者とは、わらのようになる。その来る日は、彼らを焼き尽くして、根も枝も残さない。プライド、傲慢、抑圧その他一切の原因となるものは、主の日の悩みと、その後に来る千年時代の訓練によって完全に焼き尽くされるであろう――その最後のことが黙示録209に説明されている。

Haughtiness
and oppression
will be entirely consumed.

     しかし、プライド(罪深い、嫌悪すべきすべての形における)が、全く抜き取られ、すべて高ぶる者と、悪人は全く滅ぼされるけれども、その後、この階級の矯正の希望がないというわけではない。むしろ神に感謝すべきことは、神の正しい怒りの火が燃えている間でも、判事はその燃える火の中から、のがれるべき機会を与えられるのである。そして、その助けを拒否する者のみが、プライドと共に滅びるのである。なぜなら、プライドは彼らの性質の一部分となり、彼らは矯正されることを拒むからである。

 

 

 

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     この同じ預言者は、この日に関して別な説明を与えている(マラキ3:1~3その中でも、火の象徴の下に主の子供が、いかにして誤りを捨てることによって清められ、祝福され、神に近づくかを示している。

   見よ、あなたがたの喜ぶ契約の使者が来ると、万軍の主は言われる。その日には、誰が試練に耐え得よう。そのあらわれる時には、だれが立ち得よう。彼は金をふきわける者の火のようでありは銀をふきわけて清める者のように座してレビ(信者の象徴であって、そのうち主なる者は、王の祭司である)の子孫を清め、金銀のように彼ら清める。そして彼らは、義をもってささげ物を主にささげる。

Symbolic fire
will utterly destroy every error.

 

 

Gold, Silver and Precious Gems symbolize Divine Truths and Corresponding Character

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     パウロは、この同じ火について、主の日に信者に及ぶ精練の過程であると言い、(コリント31215)象徴的な火は、すべての誤りを滅ぼし、こうして信仰の浄化が達成されるのだということを、疑問の余地なく明白に語っている。

   彼は、キリスト・イエスの救いという完成した事業を唯一の土台と認め、その上に信仰を建てる人々に対してのみ語っているのだと断言した後、このように言う。この土台の上にだれかが、金、銀、宝石(神の真理とそれに相当する性質)木、草または、わら(伝統的誤解とそれに相当する性質)を用いて(性質を)建てるならば、それぞれの仕事は、はっきりと分ってくる。

   すなわち、かの日は火の中に現われて、それを明らかにし、またその火は、それぞれの仕事ペテロ1511)がどんなものであるかをためすであろう。どんなに偏見にとらわれた人でも、霊的な仕事を試すこの火が文字通りの火ではないことを認めるであろう。火は木や草やわらで示される状態を徹底的に破壊することを示すにふさわしい象徴なのである。この火は、キリストのあがないの犠牲という岩の上に、金や銀や神の真理の宝石で建てられる信仰と性質の構造物を破壊する力はない。

   使徒パウロは、これを示してこのように言う。もし人が(キリストの上に)建てた建物が残るならば、彼は報酬を得るであろう。(その報酬は建てることへの忠誠――真の性質を発達させるために真理を使い、神の完全な武具を身につけることへの忠誠――に比例する)もしその建物が焼き尽くされるならば、損失をこうむる(不忠誠のゆえに報酬を失う)であろう。しかし、彼自身は火の中を通ってきた者のようにではあるが、救われるであろう。――焼き焦がされ、あぶられ、そして遂に目覚めさせられる。

   すべて、キリストのあがないの岩である土台の上に建てる者は、確実である。キリストの義をおおいものとして信ずる者は、決して恐れを惑うことはない。しかし、意図的にキリストとその業とを、明確な十分な知識を与えられた後に拒絶する者は、第二の死の危険に陥る恐れがある。(ヘブル648102631

A storm
symbolizes
the trouble
of the Day
of the Lord.

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     この主の悩みの日は、他の方法によっても象徴的に説明される。使徒パウロは、シナイにおける律法の開始は、千年時代又はキリストの国の支配の始めに世界に開始される新しい契約の象徴であることを示している。(ヘブル122629

   彼は模型において、神の声は文字通り地を震わせたが、今、神は私はもう一度、地ばかりではなく天をも震わそうと約束されたと言っている。これに関してパウロは説明する。このもう一度という言葉は、震われるものが造られたものとして取り除かれることを示している。

   なぜなら、それらは造られたもの(偽りものであって、真理ではない)であって、従って、震われないもの(真の正しいもののみ)が残るためである。だから、私達は震われない国を受けているのだから、敬虔と信心とによって神に受け入れられ、喜ばれるように仕えようではないか。聖書に記されているように私達の神は、実に焼き尽くす火なのだから。

   このように、パウロも主の悩みを象徴するために嵐を用いていることが分る。この嵐については、パウロも他の聖書記者も、火という象徴の下に、聖書のいたる所で語っている。ここでは、同じ事柄が、火の象徴の下に、すべての偽りを一掃するものとして説明されている。すなわち、神の計画、性質、言葉に関する誤り、又世界の社会的、政治的事柄に関する誤りを信者及び世界から一掃するものとして説明されている。

   一般に人間自身の堕落した欲望と正義の強敵である巧智にたけたサタンによって人間にもたらされたこれらの偽造品からすべての人が免れることは確かに良いことであるが、これらが一掃されるためには、それにかかわるすべての人々の大犠牲が必要あろう。

   決して震われることのない義の太陽が、栄光に輝き、病める者、死につつある者を治し、祝福し、世界を救う千年の日に先立つのは、恐ろしく激しい火、恐るべき嵐、悩みの暗黒の夜であろう。(マラキ42とマタイ1343を比較せよ)

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A dark night
of trouble
will precede the glorious brightness of the kingdom
of righteousness.

 

The Psalmist David vividly describes this Day
of Trouble.

"God is our refuge and
strength,
a
very present
help
in trouble.

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Therefore will not we fear, though the earth be removed, and though the mountains be carried into the midst of the sea;
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Though the waters thereof roar and be troubled,
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Though the mountains shake with the swelling thereof. Selah."
Psalms 46:1-3

     預言者ダビデは初臨の主に関して多くを語っている詩篇を通して、この悩みの日と、それによってもたらされる栄光の支配について生き生きと描写している。そこで彼は、火、嵐、暗黒など様々な象徴を交互に入れ替えながら用いている。例えば(詩篇503

 われらの神は来て、もだされない。み前には焼き尽くす火があり、そのまわりには、はげしい暴風がある。と彼は言う。又(詩篇9726

 雲と暗やみとはそのまわりにあり、義と正とはそのみくらの基である。火はそのみ前に行き、そのまわりのあだを焼きつくす。主のいなずまは世界を照らし、地は見ておののく。もろもろの山は主のみ前に、全地の主のみ前にろうのように溶けた。もろもろの(新しい)天は(その時)義をあらわし、よろずの民はその栄光を見た。(詩篇11026

あなたはもろもろの敵の中で治めよ。主はあなたの右におられて、その怒りの日に王たちを打ち破られる。主はもろもろの国の中でさばきを行い、しかばねをもって満たし、広い地を治める首領たちを打ち破られる。4615

神はわれわれの避け所このゆえに、たとい地(社会)は変り、山(国々)は海(荒れ狂う大衆によって飲み込まれる)の真中に移るとも、われらは恐れない。たといその水は鳴りとどろき、あわだつ(激怒する)とも、そのさわぎによって山は震え動くとも、われらは恐れない。神は朝はやく、これ(花嫁、忠実な小さき群)を助けられる。

   同じ詩篇の610節には、同じことが別の象徴をもって繰り返されている。

もろもろの民は騒ぎたち、もろもろの国は揺れ動く。神がその声を出されると地(社会)は溶ける。万軍の主はわれらと共におられる。ヤコブの神はわれらの避け所である。

   次にその時を越えて、悩みの時の結果をみて彼は付け加える。

来て、主のみわざを見よ。主は驚くべきことを地に行われた。(民よ、おまえの以前の道から)静まって、私こそ神であることを知れ(知識を得よ)。私はもろもろの国民のうちにあがめられ、全地にあがめられる。

新しい地又は新しい社会の組織、秩序がすべてをおおい、支配するものとして神とその律法をあがめるであろう。

The Book of Revelation is
a symbolical prophecy.

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Two-edged
Sword
out of
His Mouth

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Kings
of Earth
Make War

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Beast cast into
a lake of fire.

     主の日が、すべての形の悪を破壊する偉大な悩みの日である。(しかも文字通り地を焼き尽くすものではない)という事実を証明するもう一つの証言は、聖書の最後の象徴の書の中に与えられている。主が偉大なる力を持って支配される時のことをさして、嵐及び火は次のように説明されている。

諸国民は怒り狂いましたが、あなたも怒りをあらわされました。(黙示録111718

その口からは諸国民を打つために、鋭いつるぎが出ていた。彼は鉄のつえをもって諸国民を治め、また全能者なる神の激しい怒りの酒ぶねを踏む。なお見ていると、獣(象徴的)と地の王たちと彼らの軍勢とが集まり、馬に乗っている方と、その軍勢とに対して、戦いをいどんだ。しかし獣は捕えられにせ預言者も獣と共に捕えられた。そしてこの両者とも、生きながら、硫黄の燃えている火の池に投げ込まれた。(黙示録191519


The variety of symbols helps us appreciate the various features of the Day of the Lord.

     私達はここで、これらの象徴――獣、にせ預言者、像、火の池、馬など――の意味を吟味するためにわき道へそれることは出来ない。これについては、第二巻で述べる。さて今度は、偉大なる象徴的戦場と、現在の時代の終り、すなわち千年時代(黙示録2013)の開始として説明されている地のぶどうの収穫が、他の所では火、嵐、地震などと象徴的に呼ばれて、同じ大いなる騒然とした出来事をさすものである点に注目してもらいたい。

   黙示録の戦場と、酒ぶねの象徴と関連して、ヨエ2916とイザヤ13111の驚くべき一致を見る。同じ事柄を似たような象徴によって説明している。用いられている様々な象徴の形が、偉大なる注目すべき主の日のすべての特徴を十分に理解するよう助けてくれる。

Pride
on the
one side-- Ignorance
and bigotry
on the other

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現在の状況

私達はここで一時、その日に関する預言的記述から離れて、現在のこの世界の状況をもっと詳細にわたり注目してみよう。というのは、現在、私達は急速に近づきつつある戦いの準備を見るからである。その戦いが恐ろしい頂点に達する時には、たちまちにして集結が来るはずである。さもなければ、人類は絶滅するからである。

この戦場において、相対する二つの敵は、すでに明白である。一方は、富と傲慢とプライドであり、他方は広く行きわたっている貧困、無知、偏屈及び不正の鈍い感覚である。肉的動機に促されるこの両方は、共に現在の文明社会全体を組織している力である。

真理によって聖別された私達の目には、どこを見ても海とその波はすでに山に逆らって鳴りとどろき、激しくぶつかり、あわだっているのが分る。それは、日々増加しつつある無政府主義者や不満な人々の脅迫や企てに示されている。

私達は又、様々な党派や社会分子間の摩擦が、預言者によって説明されているような状態、すなわち、地(社会)は燃え尽き、その成分は相互に生ずる熱によって溶け、分解する状態に向って急速に進行しつつあるのを見ることが出来る。

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The two rival parties --
wealth
and poverty

The wealthy
feel a right
to the fruit
of their efforts.

     勿論、その論証のどちら側に属そうと、自分自身の利益、習慣、教育に相反するものを理解することは、人々にとって困難である。富める者は、彼らに無限の権利があるかのように感じている。例えば、労働力やすべての商品を安く買う権利、だれがいかに生活難に苦しもうとも顧みず、ただ己れの利益を得、貯蓄を増やすために自分自身の知識を使う権利である。

   しかし、彼らの主張する論理はこうである――それは当然なのだ。供給と需要の法則が支配せざるを得ない。富める者と貧しい者は、常に世の中に存在する。たとえ富める者が朝、公平に分配したとしても、夜までには、ある者は浪費によって貧しい者となり、ある者は倹約と慎重によって富める者となるであろう。

   そればかりではなく、何千人の労働者を使い、大損害の危機と直面しながら大企業を企画有能な人間が、利益と優勢の希望なしに働くことを期待できると思うのか?と彼らは議論するであろう。

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Artisan and
the laborer

 

All
should be
useful
to others.

 

Both labor
and capital
have benefited
from increased
  knowledge and
inventions.

 

     これに対して、職人や労働者は言うであろう。――日の労働は、過去のいかなる時より多くの利点を持ち、高い賃金を得、従って大きな楽しみを得ることも可能である。しかし、その権利は過去において妨げられてきたが、今日の発明、発見及び知識の向上の利点から当然得られる我々の権利である。我々は労働が尊重すべきものであることを認め、又労働が良識と教育と正直と主義とを伴って達成される時には尊敬すべきものであり、又、他のすべての職業と同様の多くの権利を持つべきものであることを認める。

   これに反して我々は、怠慢が人の才能、職業にかかわらず、すべての人にとって不名誉であり、恥じであると考える。尊重され、真価を認められるべきすべての物は、他の人にとってもある程度役に立つ。しかし、現在の知的、社会的、経済的改善と進歩を認めても、それは労働者、又は資本家の人間的計画というより、むしろ環境の結果であることを認めねばならない。

   我々の状況の向上は、すなわち、すべての人の状態の向上でもあるが、特に過去50年の知識や発明などの激増の結果であるのを見る。これらのものは、労働も資本も高潮の波に乗り上げ、その状態のまま運ばれているかのように急激にやって来た。

   もしこの潮流が常にその高さを保ち、すべての人に利益をもたらすならば、我々に不満はない。しかし今、我々はそうではないものを見るので不安を抱くのである。我々は、この潮流が引き始めているのを見る。それによって多くの人が富の高潮に乗り、安楽とぜいたくと富裕の岸に安着しているのに対し、民衆はそうではなく、引き潮の流れによって、かつてなかったほど低く沈む危険に脅かされている。だから我々は、我々の現状を守り、手後れになる前にあらかじめ何かをしっかりと握りたいと願うのである。

 

 

 

The organization
of labor.

 

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     彼のことばで言い換えると、私達(職人や労働者)は、全人類が大いに今日の恩恵にあずかっている一方、事業的才能に恵まれた者、遺産を受けた者、ペテン師や不正直な者が巨万の富の所有者となり、すべての人に優る利点をもつばかりでなく、技術的発見などによって、労働者の賃金に反比例して彼らの所得を増加しつつあるのを見る。

   私達は機会による労働の合理化の結果、独占販売力が増加するにつれて、職人の数が減少するのを保護するために何らかの手段を取らなければ、冷酷な需要と供給の法則が私達を完全に飲みつくしてしまうのを見る。私達が自衛手段を探し、組織するのは、現在の状況に対してより、むしろ、この災いの襲撃に対して備えるためなのである。

   自然繁殖と移民によって、私達の人口は日毎に増え、労働力節減の機械も日毎にその数を増やしている。従って、求職者の数は日毎に増加する一方、彼らを受け入れる需要が減りつつあるのである。だから需要と供給の法則が無制限に続けば、労働者の状態は百年も前に退歩して、今日のすべての利点は資本家の手中に落ちるであろう。私達が防ごうとしているのは、これである。

One invention has followed another very rapidly.

     賢明な公正な法律によって制限されない限り、この多くの現実的祝福の結果が有害となるということは、明らかである。しかし、発明につぐ発明の速度と、労働力節減の機械を生み出す程の労働力の需要は旺盛で、その結果世界は、価格、賃金、富、信用(負債)、観念の膨張というブームを呼ぶに至ったが、今やそこから次第に、それに対する反動が起こり始めているのである。

Supply outruns
demand.

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Machinery enables one man to accomplish
as much as many did formerly

     ここ数年間に、あらゆる種類の農業機具が生産され、過去における5人分の仕事を一人で達成できることを可能にした。これは二重の計画かを生む。先ず第一に、5人中3人を使用することによって、3倍の面積を耕作することができるので、2人の労働者を他に転業させなければならぬ結果となる。第二に、残った3人の者は機械を使うことによって、機械なしで15人の手を要する収穫を得ることが出来る。

   同じような、又はもっと大きな変化が農業ばかりでなく、他の職業、例えば鉄鋼業においても見られる。工業の成長が余りにも苦しいので、機械は過去12人がしていた仕事を1人で達成できることを可能にしたにもかかわらず、労働者の数は、ますます増加しつつある。それによる結果の一つは、これらの拡張された仕事の分野の生産量は、莫大な需要をも急激に上回り、恐らく、需要は継続的な増加から減少へと転じるであろう。

   このことは、例えば、鉄道は実際に必要とされているよりも遥かに多く造られていて、現在新線建設のために造られているレールの数は、恐らく補修のために取り替えられている数の倍以上にものぼっているものを見ても明らかである。

Over-production and
unemployment

     このようにして、私達は生産過剰によって資本家も労働者も、往々にして怠惰になり、また同時に、一部の労働者が必需品や奢偧品を得るための手段である仕事を失い、その結果、幾分かは過剰生産が是正されるという奇妙な状況に遭遇するのである。

   生産過剰の傾向も雇用の不足の傾向も共に増加しており、社会病理専門の医師が探し求めているような何かの救済策が必要とされているが、患者はそれを役に立てることができないのである。

"FFFF">"Boom"
and
inflation --
Reaction
and
recession

     一方、だから(と賃金労働者は続ける)供給が需要を上回り始めたために、企業間の競争の中で資本や機械によって得られる利益は大幅に減少し、世界中至るところで、富める者は利益の減少のために苦しんでおり、時として、利益を得るというより損失を被っているということを私達は知っているが、それでも、好況やインフレによって最も多くの利益を得た階級は、その反動の時期には、大衆より以上に最も大きな被害を被るべきだと私達は信じている。

   このために、またこれらの理由によって、賃金労働者は、可能な場合は法律によって、また、何らかの理由で大衆の声が聞かれず、大衆の利益が保護されない場合には力か不法によって、次のような結果を得ようと努力しているのである。――

Labor demands

 

 

 

 

 

 

 

 

The great
railroad
systems

 

 

 

 

 

 

 

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     賃金を切り下げることなしに、労働時間を労働の熟練度や労働密度に応じて短縮し、それによって生産を増加させることなしに、より多くの人々に雇用の機会を与え、また多くの人々に購買手段を与えることによって、過剰生産物を均等化するということが提言される。現在よりも、もっと公立を限定することによって、負債者又は貧民階級に対する金融業者の寛大さを促すと同時に資本の停滞を防ぐことが提言される。

   鉄道を民間財産とし、人民の公僕としての政府の管理下に置くか又は、法律が鉄道の自由、料金などを制限するかして、公衆の便宜をはかるように促すことが提言される。鉄道はインフレの時期に建設されたので、他のすべての事業に見られるように価格を下げるために資本を縮小するかわりに、実際の価格を増すことなく、初めの株式資本を2、3倍に増し(一般に資本を水増しすると呼ばれている)ているのである。

   こうして、大鉄道組織は、今日、実際に新たに鉄道を建設するために要する費用の平均4倍もの株や債権の利子や配当を払いつつある。

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     この結果、大衆が苦しむことになる。農家は輸送のために多額の費用を負担させられ、しばしば彼らの作った穀物を、燃料のかわりに燃やした方が得になるほどである。こうして大衆が買う食品の価格は、農家に利益を与えることなく高くなるのである。この問題を解決して、プール制によって競争を防ぐために、鉄道は株主に対して実際の価格の4パーセントを支払うことが提言される。

   現在、多くの鉄道組織が実際の価格の3~4倍の4~8パーセントを払っているからである。技術者達は主張する。私達は、水増しされた鉄道の株、又は他の株を持つ人々にとっては、彼らが投資した資本の利息軽減は、歯を抜かれるような全く予想外の苦痛であろうと思う。また、彼らは彼らの自由を侵害せられ、富を増大するところの権利をそこなわれたと感じ、あらゆる手段を講じて、それに反対するであろうことも良く理解できる。

   しかし、彼らは既に獲得した巨万の富の返還を要求しない大衆の寛大さに感謝すべきであると感じる。私達はまた、大衆が現代の祝福をもっと公平に分つべき時が来ている。そして、それをするためには、大衆から得た金銭と力によって肥えた貪欲なすべての企業は法律で拘束され、相応な利率で公益を計ることを法律によって強いられることが必要であると感じる。

   これらの祝福の摂理を大衆に確実なものとするためには、これ以外の方法はあり得ない。だから、資本家を代表する大企業が大いに祝福と利益にあずかる一方、彼らは利益の点を越えて、人民の主人となり、もしそれが阻止されないならば、賃金労働者をたちまち貧窮と奴隷に零落させることになるのを見る。

   多かれ少なかれ、富裕な人々から成る企業は、アメリカの一般大衆に対して、ちょうど、英国やヨーロッパの貴族が一般大衆に対して占める地位と同じような地位を占めるように急速になりつつある。しかも、もっと優勢に立つようになりつつあるのである。

Management proposes

 

 

 

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     賃金労働者は続ける。私達の目的を達成するためには、組織を必要とする、と。私達は大多数の協力を得なければ、決してそのような巨大な勢力に対抗して何かを達成することは出来ない。

   私達が持つ組織などの目的は、無政府主義、或いは、ある階級に対して不公平を叫ぶものと誤解されてはならない。私達民衆の願いは、私達を押しつぶそうとする富と権力を持つ人々に正当の制限を加えることによって、単に私達自身と子孫の権利を守ることである。

   その富と権力は、正しく使われ、制限されるならば、すべての人にとっても、もっと多くの祝福となるであろう。ひとことで言えば、私達は人にしてもらいたいと思うことを人にせよという黄金律を実行したいのである、と彼らは結論する。

Wage Workers organize for reform


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貪欲な人は黄金律を守らない

もしそのような穏健な合理的な方法が成功し、富める者が現在の所有をもって満足し、各階級の状態の一般的永久的改善のために多数者と協力し、賃金労働者が正当な要求に満足し、愛と正義の黄金律がこうして実行されるならば、すべての人にとって、なんと幸せなことであろう。しかし、現在の状況下の人間は、強制されなければこの規則を守らないであろう。

 世の技術者の中には、このような穏健な正しい概念を持つ者がいないことはないが、大多数はそうでないばかりか、彼らの概念と要求とにおいて極端、不公平かつ傲慢である。資本家が譲歩するごとに、そのような要求と概念を増すばかりである。傲慢と無知な貧民の支配は、資本家のそれに倍してひどいものであることは、体験者のひとしく知っているところである。

だから富める者の中には、労働者階級に十分同情して、必要な改革を達成する準備を次第に進めることによって、その同情を喜んで行動に表わす者もあるであろう。しかし、そのような人は、ほんの小数者にすぎず、会社の運営には全く力がなく、民間企業においては、ほとんどその例を見ない。

彼らが商人であれ、工場主であれ、労働時間を短縮することも、従業員の賃金を上げることも容易ではない。なぜなら、競争相手が安値で売り、経済的災難が彼ら自身の上に、債権者の上に、従業員の上に次々にふりかかるからである。

What causes
the great trouble
of the "Day of Jehovah"?

 

     このように、私達はエホバの日の大いなる悩みの自然的原因を見る。利己主義と、自分の利益以外には全く無頓着の盲目が、この問題の両側面に大多数を支配するであろう。

   賃金労働者は彼らの利益を守るために一致団結するが、利己主義がその団結を破壊する。そして各々は、利己主義に動かされて、この方向に陰謀をたくらむ。無知な傲慢な大多数が支配力を得、よりよい知性的階級は、これを抑制する力を失う。

   資本家は譲歩すればする程、要求も増えることを知って、ついにはすべての要求を受け入れないよう、決心するに至る。その結果、暴動が起こり、一般的自覚と不信が生じ、資本は公私企業から引きあげられ、経済不況が生じ、遂には恐慌が起こる。このような方法で仕事を失った多数の人間は、遂に絶望的となり、法律や秩序を破壊するに至る。

The melting
of society

    ――すなわち山は荒れ狂う海にのまれてしまうであろう。こうして地で象徴される社会は溶け、天で象徴される政治体制(教会と国家の)は過ぎ去り、すべての高ぶる者と悪を行う者は、わらのように焼かれる。その時、力ある者はいたく悲しみ、金持ちは泣き叫び、恐れと苦悩が群衆の上に及ぶ。

   今日でさえ、主が預言したように、賢明な先見の明のある人は、世界に起ころうとする事を思い、恐怖の念に圧倒される。(ルカ2126)この一般的破壊において、名目j9小野教会(すべての宗派を含む)は、次第に政治に近づき、富める者は人民の上にふるう力を失い、遂に政治と共に滅びる。こうして天(教会支配)は燃えつき、大きな音をたてて滅びる。

 

 

 

 

A government which will enforce the principles
of righteousness

   この悩みのすべては、たとえ人間が計画し、工夫する能力を持っていようとも、無知と貪欲が権力の座にあり、支配をふるう限り、それらの計画は無益であることを世界に悟らせる準備に他ならない。

   そして、困難を正す唯一の可能な方法は、強く正しい政府を打ち立てることによって、好条件の環境の下に次第に石のような人心を、最初の神のかたちへと回復するまで、すべての階級を淘治し、正義の原則を励行することを悟らせるにある。

   これこそ、神がすべての人々のために、キリストの千年支配によって、達成すると約束したことなのである。(エゼキエル1119362536、エレミヤ312934、ゼパニヤ39、詩篇46810

Those who
seek righteousness will suffer less
from fear
and foreboding.

     この悩みの日は、人間の堕落した貪欲な状態の避けがたい当然の結果として来る。主の律法と教えが、経験と強制によって従順を強いられるまでは、小数を除いては何人にも顧みられないことを十分に予知した主によって語られていたけれども、来たるべき自体を認識する者は、これに対し、相応の覚悟をすべきである。

   だから私達は、心の柔和な――キリストの体となる人々及び世界中の心の謙遜な人々――に言う。主の命令を行うこの地のへり下る者よ、主を求めよ。正義を求めよ。謙遜を求めよ。そうすれば、あなたがたは、主の怒りの日に、あるいは隠されることがあろう。(ゼパニヤ23

   この日には何人も、その悩みから完全に逃れることはできないが、正義を求め、謙遜を喜ぶ者は、他の人々に優る多くの利益を得るであろう。彼らの生活態度、思想や行動の習慣、正しい者への同情心は、事態の推移を的確に把握し、かつ、この悩みとその結果に関する聖書の教訓を理解することを可能にするので、彼らの苦しみ、特に恐れは軽減されるであろう。

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Society weakens with each new spasm of trouble.

     この主の日の出来事の傾向は、霊を与えられていない人々にとっては、非常な惑わしの元となるであろう。それは、過去の時代に、すべてがゆっくりと起ったのに対して、もみがらを焼き尽くす火のように突然来るであろう。

   しかし、ある人々が主の日に関して書かれているすべての事が、24時間内に電光の如く突然に成就するものであると誤って期待しているように突然来るわけではない。

   それは夜、盗人が来るようにこっそりと、一般の世界の人の目につかないように近づいて来る。この日の悩みは、痙攣のように、一連のひきつけが日を追って激しくなり、最後にその頂点に達するように来るであろう。

   使徒パウロは、それをちょうど妊婦に産みの苦しみが臨むようにと語っている。(テサロニケ523)そこからの解放は、新しい秩序の誕生によってのみ得られる。すなわち、権力と利己主義のかわりに正義と愛が律法となる義の住む(ペテロ31013)新しい天(キリストの霊的支配)と新しい地(再建される社会)の誕生によってのみ可能となるのである。

 

 

Labor pangs
in the birth
of a new era

     新しい時代の生みの苦しみが、現在の体制に迫るたびに毎に、彼女の力と勇気は減り、苦しみは激しくなる。彼女の苦痛の軽減のために医者(政治経済学者)が出来ることは、避けることの出来ない誕生の経過を思慮深く見守る――しずつその出来事の経過に対する準備をすることだけである。それを避けたくても避けることは出来ない。なぜなら、それが通り過ぎなければならないことを神が定めたからである。

   しかし、社会の医者の多くは、本当の病気が何であるのか、又その病気の必然性も緊急性も全く知らないのである。彼らは鎮圧の手段に乗り出し、悩みの発作が去る毎に、それを利用して抵抗のための武器を強化する。それによって益々苦悩を増すことになる。彼らの不当な治療は患者の死を急がせる。なぜなら、古い秩序は、新しい秩序の誕生によって死ぬからである。

     パウロの力強い教えの話は、一先ずおいて率直に言えば、民衆が資本や機械の支配から解放されようとして行う種種の努力は実を結ばないであろう。彼らの計画や配慮は、不完全で不充分である。というのは、彼らはいつも、自分たちの考え方を強制しようとしたり、また自分たちにとっては殆ど重要ではなくなってきている需要と供給の原則という制約的な枠組みを破壊しようとしたりするからである。

   彼らの試みが失敗するたびに、資本家はどんな事態が起っても、今の枠組みの中で、新しい事態に応じた新しい秩序を維持することができるという自信を益々深める。そして、やがては現在の組織や政府の規制する力は限界に達し、社会組織の絆は、ばらばらにちぎれ、法と秩序は失われ、広範囲に拡がる無政府状態によって、国が始まって以来かつてなかったような困難と預言者が語った通りの状――そして付け加えれば、有り難いことに、後の世には二度と絶対に起こらないような状況――引き起こされるのである。

Emancipation
of the world
at the hands
of one
greater than
Moses.

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     イスラエル人がエジプトの地から救出され、また、エジプトの上にくだった災を免れさせられたことは、モーゼよりも偉大な者の手によって、世界が解放されることを示している。――ーゼは、その偉大な者の役割の型を演じた。

   それは、人間の罪と誤りへの隷属をたくらむサタンと一切のものからの救済である。エジプトに及んだ災が取り除かれるや否や、パウロの心がかたくなになったように、主の日の苦悩からの一時的な解放も、やはり一部の人々の心をかたくなにするであろう。そしてエジプト人がイスラエル人に言ったように、彼らはあなたがたは怠け者だと貧しい者に向かって言うであろう。そしてエジプト人のように、貧民の荷をますます重くするであろう。(出エジプト5423

   しかし、最後も同じであろう。すなわち、最後の災が起った真夜中にパロがしたように、彼らも、以前からもっと寛大で、賢明であるべきであったと思うであろう。(出エジプト123033)更に、両者の類似を示すために、この主の日の災は、怒りの七つの鉢又は七つの最後の災と呼ばれることを思い出す。又、すべての山(国)が見えなくなる程の大きな地震(改革)が起るのは、それらの最後の時であることを思い出すのである。(黙示録161720

The Day of Trouble
is right on time -- God’s due time.

     この悩みの日に関するもう一つの思想は、定められた時――神が定めた時に――きっかりそれはやって来たということである。第二巻において、旧約聖書の律法と預言者、新約聖書のイエスと使徒の証言の中から、例をあげて示したが、それによれば、この悩みの日は、年代的に栄光あるメシヤの千年支配の始めに明白に規定されていて誤解の余地がない。この悩みを促すものは、千年時代における回復事業の必要な準備に他ならない。

Society
is unable
to adjust
to new
circumstances.

 

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"In the sweat
of thy face shalt thou eat bread,
till thou return unto the ground."
Genesis 3:19

     悪の6000年間又は、キリストの義と力の政府が確立するまでの間に、もし現在のような労働節減の機械の発達によって、多くの余暇が与えられていたとしたら、堕落した人間に絶対的損害を与えていたであろう。人類の経験は怠惰は悪徳の母なりという格言を生んだが、こうしてあなたは顔に汗してパンを食べ、ついに土に帰るという神の宣言は神の明知を示すものである。

   すべての神の計画と同様に、これは慈悲深く賢明であって、神の被造物の終局的利益のためなのである。すでに増大しつつある主の日の悩みは、神の計画の智恵を確証している。なぜなら、今までに見てきたように、労働力節減の機械による過剰生産と、個人の利己主義の故に、新しい環境に自らを順応させることができない無力との結果として、それが起こるからである。

Had the
knowledge come sooner,
the trouble
would have come sooner.

     今が神の定められた新しい秩序の導入の時であることを証明する確固たる議論は、預言された通りに、神が盲目の幕を取り除き、次第に理性と発明の光を人類に投じつつあるということである。(ダニエル1241)もし知識がすぐに投ぜられたならば、悩みもすぐに来たであろう。

   そうすれば社会は嵐と溶解の後にそれに気づいたかも知れないけれども、それは義の住む新しい地(社会制度)ではなく、むしろ、今日よりもっと罪と悪の満ちた新しい地、又は制度になったであろう。

   労働力節減の機械による利益の公正な分割は、遅かれ早かれ、労働時間の短縮をもたらし、それによって安全弁がはずされ、堕落した人間は、その堕落した嗜好にかられて、自由と時間とを精神的、道徳的、肉体的改善のために使わず、過去の歴史が示すように、むしろ不道徳、悪徳の傾向に向かうであろう。

     その幕の部分的除去は、今、人類のために多くの便宜を与え、回復期の始めから、教育的、道徳的、肉体的改善のため、及び墓から目覚めさせられる人々の食料、衣類の準備のための時間を与えることになる。更に、悩みの時は、正確に人類の利益となる時点に定められている。

   すなわち、人間が自らの力では自治が不可能なことを学ぶ、ちょうどその時に、千年の夜明けが始まり、主の定めに基づき、人類を罪よりあがなった者が、鉄のつえの支配によって彼らを祝福し、十分な知識と援助によって、彼らを最初の完全性と永遠の命へと回復させることになっているのである。

"He that dwelleth in the secret place of the Most High shall abide under the shadow of the Almighty."
Psalms 91:1

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"He shall cover thee with his feathers,
and under
his wings
shalt thou trust:
his truth
shall be
thy shield
and buckler."
Psalms 91:4

聖徒の義務と特権

この悩みの間の聖徒の義務と現在著しくなりつつある二つの相反する階級に対する聖徒の正しい態度に関して重要な疑問が生ずる。一部の聖徒はこの燃焼の時の少なくとも一部分を肉にあって迎えるであろう。

しかし、その時の彼らの立場は、他の人のそれとは異なり、奇蹟的に守られるという訳ではなく、(彼らのパンと水は確保されるという明白な約束が与えられているけれども)神の言葉に導かれるので、他の人々のように、世界をおおう心配と絶望的恐怖を感じることはないであろう。彼らは、その悩みが、神の計画による全世界の祝福のための準備であることを知るが故に、喜びと慰めを以って対処することが出来るであろう。この真理は、詩篇91、イザヤ332141524に力強く述べられている。

このように、神の確証によって慰めと祝福を与えられている聖徒の第一の義務は、世界をおおう悩みと不満のただ中にあって、悩みにあずかり、苦しんでいようとも、聖徒には希望と喜びがあり、常に神の言葉を預言された栄光ある結果を望み見て喜び溢れていることを世界に示すことである。

Dissatisfaction
is widespread.
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     使徒パウロは、神を敬って足ることを知るのは大きな利得であると書いている。これは過去においても常に真理であったが、不満がすべて世俗の主な病気となるこの主の日においては二重の力を持つ。

   この病気に対して、聖徒は例外でなければならない。かつて不満がこれ程広範囲に広がった時代はなかった。しかも人間がこれ程の便宜と祝福を享受した時代もなかったのである。どこを見ようと、すべての栄華を極めたソロモンさえ知らないような便宜と豪華さに満ちた富豪の大邸宅を見ても、つましい賃金労働者の快適な家庭を見ても、いずれも趣味と安楽と装飾を示し、あらゆる面で、現在は、天地創造以来のいかなる時代よりも豊かなのを見る。

   しかし、人々は不幸で不満を抱いているのである。堕落した心の利己的な欲望はとどまるところを知らないからである。利己主義がすべての人を虜にしているので、どこを見ようとも、全世界は、富を追い求めて押し合いへし合いつかみ合っているのを見る。ほんのわずかな者だけがそれに成功し、残りの者はその幸運をつかめないので、羨みねたむのである。そしてすべての人々が、過去のいかなる時代にも増して不平不満を抱くのである。

Provide things decent
and needful,
with
contentment.

 

The saints
should take
no part
in the
struggle.

   しかし、聖徒は、その苦悩に参加すべきではない。聖徒の献身の誓いは、より高い、天的賞与をつかむために努力し、走ることであった。そして地上的な欲望を捨て、必要なもの以外には地上的な物のためには労しないことであった。なぜなら、聖徒の注意は、主と使徒の歩いた道と模範とに向けられるべきだからである。

だから、聖徒は神を敬うことで満足する。彼らには欲望がないからではなく、彼らの欲望は、天に向けられ、天に宝を積み、神に対して富む者となるために努力が払われるからである。そのために、又、神の言葉に表わされた神の計画の知識のために、彼らは、神が与えるいかなる地上的境遇でも満足するのである。彼らは喜びをもって、神の御手が導くのだから、いかなる運命でも満足すると歌うことが出来る。

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     しかし、悲しいことには、すべての神の子らが、この状態に恵念しているとは限らない。多くの者は、世界に広がっているこの不満に陥り、主の御跡を離れて、世界と共に彼らのこの運命を歩むゆえに、自らこの喜びを奪っているのである。それを手に入れるかどうかにかかわらず、地上的な物を求め、世界の不満にあずかり、世界が与えることも、取り去ることも出来ない満足と平和を認識することが出来ないのである。

だから、私達は、貪欲と虚栄の努力と、それに伴う不満とを捨て、もっと高度な富とその富が与える平和への努力を聖徒に促す。彼らに、使徒パウロの次のことばを思い出してもらいたい。

 

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     信心があって足ることを知るのは、大きな利得である。私達は、何ひとつ持たないでこの世にきた。また、何ひとつ持たないでこの世を去って行く。ただ(必要な)衣食があれば、それで足れりとするべきである。富むことを願い求める者は、(それに成功する、しないにかかわらず)誘惑と、わなとに陥り、また、人を滅びと破壊とに沈ませる。無分別な恐ろしいさまざまの情欲に陥るのである。金銭(貧富を問わず)を愛することは、すべての悪の根である。

   ある人々は、欲張って金銭を求めたため、信仰から迷い出て、多くの苦痛をもって自分自身を刺しとおした。しかし、神の人よ、あなたはこれらのことを避けなさい。そして、義と信心と信仰と愛と忍耐と柔和とを追い求めなさい。信仰の戦いをりっぱに戦いぬいて、永遠のいのちを獲得しなさい。あなたは、そのために召され、多くの証人の前で、りっぱなあかしをしたのである。テモテ6612

 

"Let your
conversation
be without
covetousness;
and be content
with
such things
as ye have..."
Hebrews 13:5

  もし、聖徒の示す模範が、満足と喜びに溢れた期待であり、又、良き時の到来への確実な望みを持って、現在の試練を喜んで忍ぶならば、そのような生きた模範だけでも、世界への貴重な教訓となる。その模範に加えて、聖徒のまわりにある人々に対する聖徒の忠告は、信仰と一致していなければならない。それは、バルムのいやしの膏油でなければならない。

  良き時が到来しつつあることを世界に示すために、神の国の到来を説き、現在の悩みの真の原因が何であり、またそれを治す唯一の薬が何であるかを示すために、現在の状況が利用されるべきである。(ルカ314、ヘブル135、ピリピ411

 

 

 

Heralds
of the Kingdom -- Ambassadors
of Peace

 

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キリスト者は、足ることを助言すべきである

憐れむべき世界は、事実上の病のためばかりではなく、空想上の病いのためにうめき苦しんでいる。特に利己心から来る不満とプライドと人間をいらだたせ、悩ませる欲望を、彼らは決して満足させることが出来ないので苦悩するのである。私達は、この問題の両面を見ることが出来るのだから、自分の持っているもので足ることを知り、私達に耳を傾ける人々に、神の定められた時まで忍耐して待つことを、又、神の愛と知恵がもたらす多くの祝福がどのように来るのかを助言しようではないか。

事実上の、又は架空上の傷と誤りを探り、刺激することによって、私達は助け祝福すべき人々をますます傷つけ、彼らの不満と悩みとを大きくすることになる。しかし、すべての人に与えられたあがないの良き訪れを語り、その結果、すべての人々におとずれる祝福を語り、私達の使命を果たすことによって、私達は、真の御国の伝令者、平和の大使ともなり得るのである。

  このように書かれている。よきおとずれを伝え、平和を告げ、よきおとずれを伝え救いを告げ、シオンに向って「あなたの神は王となられた」と言う者(キリストの体の最後のメンバー)の足は山(国々)の上にあって、なんと麗しいことだろう。(イザヤ527

 

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The Kingdom
at hand
is the only
remedy
and hope.

The eminent Kingdom...

 エホバの日の悩みは、めったに与えられないような、来たるべき良きおとずれを語る絶好の機会を与える。主の御跡を歩み、傷を負った者の手当てをし、慰めと励ましの油と酒を注ぐ良きサマリヤ人となる者は幸いである。彼らの労働が無駄になることは決してない。というのは、主のさばきが地に行われる時、世に住む者は義を学ぶからである。(イザヤ269

主の子供の同情は、天の父の同情のように、束縛から何らかの救済を求めて努力し、うめき苦しむ被造物に対して向けられなければならない。神の子供に敵対する人々の願望は、たとえ正しく寛大であろうとも、彼らは堕落した性質の弱さによってのみならず、生活環境や他人とのかかわりや依存によって、その努力を妨げられるので、天の父のような心で彼らに同情するべきである。

しかし、主の子供は、静かで穏やかであるべきであって、主義が危険にさらされない限り、常に平和を求めるべきである。彼らは、これが主の戦場であることを記憶し、政治や社会問題に関する限り、神のことばの中に預言された方法の外には決して解決方法はないことを忘れてはならない。

ゆえに献身者の義務は、先ず第一に彼らがエホバの戦車を妨害していないかどうかに注意し、次にこの戦いには彼らの役割はなく、神が他の手段を用いて、自ら戦う戦いであることを認識し、かたく立って神の救いを見ることである。彼らは、神の国がもうそこまで来ていて、神の国の到来だけがすべての階級を治す唯一の薬であり、唯一の希望であることを宣べ伝えることによって、彼ら自身の使命を遂行すべきなのである。

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